WHISMR ACOUSTIC TECHNOLOGY
音の立体感を生み出す、
WHISMRの技術
人が音の方向や距離を感じる仕組みを、左右2つのマイクで捉えるバイノーラル録音。WHISMR W-BM1は、その立体的な音響体験を、持ち運べるサイズとシンプルな操作で実現します。
左右だけでなく、前後と距離まで。
スピーカー再生では、左右のスピーカーから出た音が両耳に届き、壁や床からの反射音も加わります。一方、ヘッドホンでは左右の信号がそれぞれの耳へ直接届きます。
バイノーラル録音は、人の耳に届くわずかな時間差、音量差、耳介による音色の変化を左右のマイクで記録します。ヘッドホンで再生すると、収録場所の方向感や広がりを追体験できます。

音源の方向により、左右の耳へ到達する時刻がわずかに変わります。
頭部による遮蔽などにより、左右の耳で音の強さが変化します。
耳の形が音色に変化を与え、前後や上下を知る手掛かりになります。

WHISMRが、音の空間を捉える方法。
バイノーラル録音の効果と、実際の制作・配信での使いやすさを両立するため、W-BM1には4つの技術的な工夫があります。
人の耳を模したシリコン耳
耳介による音の変化を収音に反映し、左右・前後・距離を感じるための音響情報を記録します。
バイノーラル補正フィルター
耳介によって強調される帯域を録音時に補正。ヘッドホンだけでなく、スピーカーや配信でも自然な音色を目指せます。
外部ECMマイク入力
プラグインパワー対応の外部マイクを接続可能。イヤホン型バイノーラルマイクなど、目的に応じた収音へ拡張できます。
バイノーラルフェイス
正面からの音が顔の表面を回折して両耳へ届く経路を加え、正面定位の再現性を高めます。
再生環境に合わせて、音を整える。
耳介を持つバイノーラルマイクは、数kHz帯に特徴的な変化を生じます。この特徴が立体感の手掛かりになる一方、再生機器や用途によっては中高域が強く感じられる場合があります。
W-BM1の補正フィルターは、用途に合わせてON/OFFを選択できます。

個人用の音源ライブラリや、ヘッドホン/イヤホンで聴くことを前提とした収録に適しています。
再生環境が限定されない配信や動画制作など、幅広い環境で自然な音色を目指す場合に適しています。

音で比較する
違いを確認しやすいよう、ヘッドホンまたはイヤホンでお聴きください。
FILTER OFF
FILTER ON
再生するヘッドホン/イヤホンによる違い
ヘッドホンやイヤホンは製品ごとに固有の周波数特性を持っています。そのため、同じバイノーラル音源でも音色や定位感に差が生じることがあります。高域が強く感じられる場合は、補正フィルターONでの収録が有効です。

周波数特性と補正についての技術資料
耳介を持つバイノーラルマイクで収録した音には、耳介などの影響による特徴的な周波数特性が加わります。図の水色の特性は人の外耳道入口での測定データで、個人差はあるものの、おおむね4〜6kHz付近にピークが見られます。
赤いラインは、疑似的な外耳道を備えたイヤーシミュレーター型ダミーヘッドの鼓膜位置に相当する特性です。外耳道の共振によってピークがさらに大きくなります。一方、青いラインは業務用ダミーヘッドのデータで、このピークがイコライジングにより補正されていることが分かります。

参照:Electronic Engineering, University of York 測定データ
自分の耳を使う、もう一つの方法。
人の耳の形には個人差があるため、同じダミーヘッドで録った音でも、方向感や広がりの感じ方には差が生じます。
W-BM1の外部ECMマイク入力にイヤホン型バイノーラルマイクを接続すれば、自分自身の耳の形を使った、パーソナライズされた収録にも対応できます。

正面の音を、より自然な定位へ。
耳だけを備えた小型バイノーラルマイクは持ち運びに優れる一方、正面からの音が顔の表面を回折する経路を再現できません。環境によっては、中央の定位が弱く感じられることがあります。

バイノーラルフェイスの効果
W-BM1用バイノーラルフェイスは、顔面に相当する形状を追加し、正面音が両耳へ回折して届く経路を構築します。持ち運べるW-BM1の利点を保ちながら、より本格的なダミーヘッド録音へ拡張できます。
音の空間を、持ち出そう。
W-BM1の機能、オプション、実際の収録サンプルをご覧ください。
参考文献
C. Armstrong, L. Thresh, D. Murphy and G. Kearney, “A Perceptual Evaluation of Individual and Non-Individual HRTFs: A Case Study of the SADIE II Database,” AudioLab, University of York.
掲載グラフは聴取傾向を説明するための参考資料です。感じ方には個人差があり、使用するヘッドホン・イヤホンや再生環境によっても変化します。
